2015年12月1日火曜日

師走

今年もあと1カ月になりました。
今週、来週の定期薬の患者さんは年末に足りるかどうかをご確認下さい。

尚、当院の年末年始の業務予定は

12/29(火)  午前中のみ業務・午後休診
12/30(水)  午前中のみ業務・午後休診
12/31(木)  休診
1/1(金)  休診
1/2(土)  休診
1/3(日)  休診
1/4(月)  休診
1/5(火)  午前、午後 通常業務

以上の業務予定です。

特に1/4(月)もお休みを頂きますのでご注意ください。

年末年始は、外出や親戚同士など人が集まる時期でもあります。
風邪をひかないように、手洗い、うがい、十分な睡眠時間にご留意ください。

2015年11月17日火曜日

ぽっくり逝く、ピンピンコロリ(PPK)のためには……

今日は終末期のお話です。

多くの皆さんの終末期の目標であるピンピンコロリ
寝たきりになりたくない、家族に迷惑をかけたくないなど様々な理由があるでしょう。

さて、どのような疾患であればピンピンコロリなのでしょうか?
医療論文の大家JAMAからEnd of life、つまり終末期のパターンをご紹介します。

疾患によって、悪くなる経過が違ってくるのです。
その表がコチラ↓↓↓


縦軸がFunctionつまり機能を表しています。分かりやすく言えば、体力と言えるでしょう。
体力の低下とともにできることが減っていきます。(例えば家事、外出、仕事など)
横軸がTime。これは簡単で時間の経過ですね。

各題目は置いておいて、どれがピンピンコロリと言える経過なのでしょうか?





見てのとおり、左上と右上ですね。まずはこちら二つから解説していきます。

左上はSudden death。これは突然死と呼ばれるものになります。
疾患でいうと、大動脈解離や心筋梗塞、くも膜下出血などが多いと推測されます。
そして、疾患以外でいうと事故。ですね。

本人はほとんど苦しむ時間はなく、まさにピンピンコロリなのですが、周りは非常に大変です。

まず、ほとんどが検視となります。つまり、警察が介入するんですね。
痛くもない腹を探られる(家族が殺したのではないかなど)ことになりますが、検視をきちんとしておかないと本当に他殺がのさばりますから重要なことです。

次に経済的なものですが、銀行が凍結されたりと急に動き回ることになります。

え、家族の心情は???と、聞かれると個人的な印象ですが、比較的速やかに受け入れれる人が多い印象があります。ただし、事故は違う印象で、相手への恨みなどが残ることも多そうです。

まとめると、突然死は死に方としては本人は楽ちんで家族や周囲が大変ということになります。

右上はTerminal illness。直訳すると末期の疾患です。こちらは多くが癌、悪性腫瘍です。
比較的元気な時間が続くものの弱りだしたら早いというパターンです。
本人は苦しむ時間や体力が低下する時間が少しあります。
体力が低下する中でもどかしさや悔しさ、不安感なども出てきますが、そういっている間にお迎えがきてしまうことが多いです。

原疾患だけに長期間体力低下が続くということはあまりなく、比較的ピンピンコロリと言えるでしょう。

左上の突然死と比べて、受診していることが多く検視にならないですし、経済的な問題も事前に少しは対応できることが多くなります。

家族の心情は左上と比べると受け入れきれない人が多い印象が強くなります。
まだ、親孝行していないのに……的な後悔が出てくることも多いです。
(親孝行するならお早めにのブログもご参照ください。http://eguchiclinic.blogspot.jp/2015/09/blog-post.html

と、言うことでピンピンコロリと逝くならば、
心筋梗塞、くも膜下出血、大動脈解離などの疾患か悪性腫瘍が中心となります。
しかし、疾患は選べませんし、必ず死ねるとも限りません。
(心筋梗塞の急性期の死亡率は確か5-10%くらいです)

と、なると悪性腫瘍なんですね。
癌はこれから2-3人にかかる疾患と言われていますから、こちらはかかれる(笑)可能性が高いです。
つまり、ピンピンコロリといくために確率が高いパターンは癌に罹患した後緩和ケアのみを受けるパターンかと考えています。

注意)癌を治療しないことを勧めているわけではありません!!!!!

そういう選択肢もあるということです。


さて、では、左下、右下も見ていきましょう。

左下はorgan failure。直訳は臓器障害です。これが多いのは心疾患や、肺疾患となります。
心疾患でいうと高血圧性心臓病や弁膜症、肺疾患でいうと肺気腫や間質性肺炎などが多い印象です。

こういった疾患は、心不全の急性増悪や肺気腫の急性増悪を繰り返しつつ、徐々に体力が低下していきます。
そして、マーフィーの法則(科学的ではないですね 笑)のお決まりのように、
「また、同じ疾患で入院やね。また、2週間くらいで帰れるね」
と、慣れてきたときに耐え切れずに亡くなるのです。
医者も「死ぬかもしれない、死ぬかもしれない」と、言い続け、言い疲れてきたころに亡くなるというオオカミ少年のようなお話になるのです。

こういった疾患は医者も引き際が難しい疾患になります。どこからが延命治療かの線引きも難しい疾患です。

最後に右下です。右下が一番ピンピンころりではないですよね。
Frailty。これは直訳すると虚弱。
疾患として多いのは、老衰や認知症ですが、ロコモティブシンドローム、サルコぺニアなどの筋力低下(と、それに伴う骨折など)もよく見かけます。
要介護状態が長く続き、生活レベルも徐々に下がっていきますが、問題なのはFunction、体力が戻ることはまれであることです。

以上、ピンピンコロリのために注意すべきは、
動脈硬化の原因となる疾患のコントロール
禁煙
定期的な運動習慣を維持
することなのでしょう。

Frailtyは今年度の個人的ホットトピックですから、後日フレイリティサイクルと一緒に紹介したいと思います。

記載:江口仁

2015年11月10日火曜日

紹介状や診断書

大きな病院では診断書や紹介状が場合によっては当日もらえるようになってきました。
一昔前は「当日もらえるなんて思っているなんて非常識」くらいの認識だったのではないでしょうか?

これが大きく変わってきている理由の一つが「電子カルテ」なのではないかと思っています。

実は結構面倒なのが、名前や住所、電話番号の記載なのです。
また、薬剤情報もコピー&ペーストできるようになっており、時間が短縮できています。
ブラインドタッチが出来る医師であれば、現病歴や身体所見の経過も手書きより素早く記載できます。(読むほうも見やすいですし 笑)

ちなみに当院は2015/11月時点では電子カルテを導入していません。
ですから、紹介状や診断書に多少時間がかかっていまいます。
(年賀状のように心をこめて…… 笑)
そのため、待っている患者さんがいれば先に診察して、後で記載になりますし、場合によっては翌日や時間をおいて来院してもらうこととなります。
勿論、緊急性が高い場合はこの限りではありません。

時間があるときにExcelなどを駆使して作ろうと思っていますので、お待ちくださいm(__)m

記載 江口仁

2015年10月27日火曜日

インフルエンザワクチンの接種が始まりました

もう例年であれば、ボチボチとインフルエンザが出てくる時期です。
佐賀県の感染症情報センターのデータでは、まだ佐賀県内ではあまり流行していないようです。

また、寒くなるにつれて、外来の担当患者さんの多くもインフルエンザワクチンを摂取するようになってきました。
ちなみに今年のワクチンは以前のワクチンと少し違っています。
今年は4価ワクチンで、去年は3価ワクチンでした。
どういった違いかと言いますと、対応するインフルエンザのタイプが1種類増えているのです。

1種類増えたことによって、インフルエンザワクチンの原価も上がっています。
よって、当院は昨年3000円、今年は3500円(税込)です。

自由診療なので強制は出来ませんが、現状では基礎疾患をお持ちの方にはお勧めすることが多いですね。

ワクチンを打っても油断せず、手洗いうがいを頑張りましょう!!

2015年10月6日火曜日

総合診療医 ドクターGの意義と弊害

総合診療医 ドクターGはNHKで放送されている医療系クイズ?番組です。

医師の診断の流れを見るという意味では興味深い内容で、
おそらく医療関係者(特に研修医や看護師さん)にとっても面白い内容だと思います。

社会的には「総合診療」という名を認知させるという意味では非常にありがたい番組です。
しかし、弊害……とまでも言えないかもしれませんが、一部誤解を受けやすいと思われる点があります。

それは、多くの総合診療医の仕事はドクターGのように「稀な疾患を診断する」ことではなく、
慢性疾患のコントロールや動機付けや急性疾患を診断することのほうが圧倒的に多いのです。

稀な疾患がどの程度の頻度で受診するのかというと、
比較的少ない疾患は「忘れたころにやってくる」レベルの頻度であり、(=数カ月に1人)
さらに稀な疾患になると「10年で1人」や「教科書では知っている」レベルとなります。
数カ月に1人レベルとは、外来で1500回(重複あり)面談して、1人に出会うこととなります。
10年に1人レベルになると……。

ですから、プライマリケア、個人病院の総合診療医は稀な疾患の診断能力よりも、マネジメント能力や動機付けに特化したほうが効率的なのです。だからといって稀な疾患を見逃していいという訳ではありません。

大切なのは、診断がつかないときに(=具体的にいうと通常の疾患の経過ではないことや非典型的な身体所見など)三次医療機関に紹介できる能力です。

診断がつかないときに紹介するシステムがあれば、そこにいる診断医(それこそドクターGのような)は多くの診断がつかない患者さんを診察することが出来て、さらに診断能力は洗練されたものになります。

また、通常クリニックには多くの場合CTやMRIなどの高額な機器は置かれていません。
病歴、身体所見、血液検査のみで診断がつく、希少疾患はほぼありません。
予測がつくこともありますが、除外診断が必要になるためにやはり検査を行うことが多いです。

更に、診断がつきにくい患者さんの問診、診察には通常より時間がかかりますので、待ち時間が長期化しやすい面もあります。

ですから、通常はアクセスがよく、慢性疾患のコントロールが上手であり、話しやすく、診断不能なときに紹介する判断ができる医師をかかりつけとして持つことをお勧めします。

と、言うことで、ドクターGとかかりつけ医が同義になりにくいというお話でした。
勿論、診断能力は頑張ってみがきますが(笑)

記載:江口仁

2015年9月29日火曜日

介護度と死亡率

介護保険は、要支援が減りそうな流れですね。

高齢者が増えて、必要なお金が増えているし、
介護の人材が集まらないから給与も上げなければいけないし、
保険料をあげるとクレームはたくさん出るみたいですし、
保険者も大変ですね。

と、すると言われがちなのが「出来るだけ悪いように書いてください」ですね。
介護度が上がれば上がるほど受けれるサービス量が増えますし、(自己負担も増えるけど)
入所できるかの判定基準でもあります。
なので人によっては高い介護度が出ると「やったーーー」と、喜ばれる方もおられます……

でも、考えてみてください。簡単に言うと介護度が出る、高くなるっていうことは、弱まったってことですよ?

と、いうことでお題にやっと戻ってきますが、どのくらいの介護度だとどれくらいの死亡率になるのか。

介護度自体が日本のシステムで作られた仕訳なので、今回は日本語の論文を参考にしてみましょう。(武田俊平:介護保険における65歳以上の要介護など認定者の2年後の生死と要介護度の変化:日本公衛誌 2004)


介護度と死亡率

要支援  4.4%
要介護1 7.8%
要介護2 9.9%
要介護3 13.3%
要介護4 18.1%
要介護5 25.0%


2年のデータで、一施設でのデータですから、さらなる研究が必要でしょう。
でも、介護度が上がるごとに死亡率は確実に上がりますね。

良い人生にするために、要介護状態にならないように心がけましょう。
また、システムにおんぶにだっこではなく、自分の健康はジムや体育館などで積極的に守っていきましょう。

2015年9月8日火曜日

平均寿命と健康寿命

今回のお話は、平均寿命と健康寿命のお話です。
先日のブログの一部に載せましたが、非常に興味深い話題だと思いますので、再掲してコメントしたいと思います。

出典:厚労省:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002c3vx.html

このデータを見て……
思うところ2点ありますね。

1.意外と健康寿命が早い
 70~73歳が健康寿命になりますが、皆さんどのように感じられるでしょうか?
自分が世代が近ければ、きっと意外と早いと思われるのではないでしょうか?
75歳を超えても元気な人は元気ですものね。しかし、これは平均値なので、もちろん60歳でも健康寿命が尽きてしまう人も居るわけなんですよ。見ないのは出歩けないからです。

 65歳から年金をもらうとするじゃないですか。健康なうちに年金をもらえるのは平均5年ですよ。これからもっと働かなければならない年齢が増えるとすると、健康なうちに年金をもらえる時間はどんどん減っていくでしょう。健康で元気ならば働けっていう論理もありますよね。逆に年金は健康寿命まではもらえないというのも納得できるような気もします。

 子には迷惑かけん、かけたくないという貴方。もうすぐ健康寿命が尽きてしまいませんか?
そろそろ介護保険の申請を検討してはどうでしょうか?

 子世代から見るとどうでしょうか?
「親父がこがん弱っとるってしらんやったばい」
「かあちゃんどうにかこうにかくらしよろー」
と、言いたいですが、健康寿命が過ぎると生活に制限が出てきます。(そういう定義ですから)
買い物が一苦労、お風呂が一苦労。
親が65歳以降は特に、介護の手が必要でないか、親孝行すべき時ではないかを自問せねばなりません。都会に出稼ぎに出ている人も多いですから、知らないうちに弱っていたとならないようにご注意ください。

一緒に親と旅行に行きたいと思っている方、一番楽しめるのは60歳代までです。(統計的には)

2.女性のほうが健康寿命がつきてからが長い

 ピンピンコロリがよかもんねって言いますが、通常そうはいきません。
ご覧のとおり、男性9年、女性12年ほど平均寿命と健康寿命に差があります。
まあ、どこまでをピンピンというかによりますが(笑)
目立つのはその性差にあります。
健康寿命と平均寿命の差は女性のほうが3年ほど長いのです。
女性としては長寿で長生き、だけど、健康寿命は比較的短めとなります。

経験上、この原因は女性の骨粗しょう症、筋骨格系の問題である可能性が高いと考えています。
いわゆるロコモ的問題ですね。
閉経すると骨粗しょう症が進んでしまいます。
内服治療ももちろんしていますが、是非とも
体重コントロール (肥満は膝や腰を痛めます)
運動 (筋肉によって関節を保護しますし、屋外の運動でビタミンDを介して骨を強くします)
栄養 (炭水化物などに偏った食事に気をつけましょう)
を気を付けて、健康寿命を長く保ってほしいと願っています。

記載:江口仁

2015年9月1日火曜日

平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果を閲覧して… Part2

先日のブログの追記です。

サイトの画像は再度内閣府:http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/gaiyo/index.htmlを参照しています。

今回も非常に面白いですね。
自分を高齢者だと思うか?についてです。

やはり、年齢が低ければ低いほど、自分を高齢者と思う人は少ないです。
ちょうど半分になるのが70-74歳です。
実は 健康寿命の平均値がその年代なんですね。
これはこれで面白いですから次回のブログにつなげようと思います。

上記のデータを健康状態をベースに組み替えてみると、やはり健康状態が悪い人ほど
自分を高齢者であると認識すると言えます。

また、健康状態より影響は落ちると思われますが、社会的なつながりがない人ほど
自分を高齢者ととらえるようです。


言葉の概念としては60-65歳以降が高齢者、75歳以降が後期高齢者とされていますが、
一般的な人の概念としては70-75歳が高齢者であるという認識になるのでしょう。

若々しくいるためには、健康とつながりがキーワードになるのかもしれません。
ちなみにつながりがある人ほど精神的に良い影響があるとされています。
積極的に老人会に参加したり、地域の活動に参加することが若々しくいるための一つの要素であるかもしれませんよ。

また、このレポートの内容では、健康への情報がほしい方も多いとの記載もあり、ぼちぼちと健康情報を提供していこうと思っています。(高齢者はインターネットよりテレビや新聞が情報源であることがこのレポートにも載っているのでWebでアップするのは矛盾していますが笑)

記載:江口仁

2015年8月25日火曜日

平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果を閲覧して… Part1

内閣府の調査である、「高齢者の日常生活……」を閲覧しました。

高齢者が気にしているのは大きく2点と読み取りました。
健康問題経済問題です。

この二つは幸福感や満足度と関連もありそうです。
健康な人は経済的にも恵まれるでしょうし、経済的に恵まれている人は健康である可能性は十分にあり、通常は重回帰分析などで個別に解析するのが筋でしょうが、大まかに見ても十分関係しそうな印象です。

さて、健康問題と経済的な問題。どちらをより心配しているのでしょうか?

答えは健康問題です。

一番上の黒のラインが今回の調査で下の様々な模様が前回までの調査になっています。

生活苦などが一番テレビやネットで取りざたされていますが、収入としては3割の人が心配しているのが現状のようです。
(テレビはほぼ見ないですが(^^;)
















出典:内閣府:http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/gaiyo/index.html


では、みなさん心配している、要介護にならないためにはどうしたらいいのでしょうか?


まず、要介護の原因を知りましょう。

出典:内閣府:http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/zenbun/s1_2_3.html

脳血管疾患が比較的多く、関節疾患、認知症、衰弱(フレイル)が多いです。
どうすればいいか?

すごく簡単に言ってしまえば、
疾患のコントロールはかかりつけ医に任せつつ、
食事療法や運動療法を行うことが大切です。

女性の心筋梗塞などの原因の75%は生活習慣に起因する論文もあります。
(ただし、人種が違いますが)
運動は心血管リスクを40%以上減らし、認知症のリスクも30-50%軽減します。

また、個人的には40歳くらいからの生活習慣が大切だと思っています。
過去に30代後半からの生活習慣も影響するという論文を見た覚えがあります

「おじいちゃんテレビの前からぜーんぜん動かんもんね」
と、言っている貴方は一緒にウォーキングに行きましょう!

「おばあちゃん、好き嫌いばかりしてから…」
と、言っている貴方は一緒に食事療法に取り組みましょう!!(^^)/

2015年8月18日火曜日

総合診療医と言えども……

総合診療医と言えども、様々なタイプの医師が居ます。
見た目も、性格もみんな多彩ですが(笑)

まずはクリニックを中心に家庭医やプライマリケア医がいます。
外来や在宅医療を展開していることが多いです。

二次病院を中心に病院総合医がいます。
病院総合医は高齢者の肺炎や心不全など、高齢者の入院に対応することが多いです。

三次病院にも総合医がいます。
こちらはやや特殊でかかりつけ医としてはあまり機能しておらず、
診断医を中心に活動していることが多いです。

場所のくくりだけでなく、例えば外傷や救急も対応する医者もいれば、小児科の軽症感染症まで対応する医者もいます。業務内容を検診を中心にする医者もいます。
漢方を得意とする医者もいれば、感染症を得意とする医者もいます。

総合診療医って本当に多彩です。
貴方にあった総合医と出会えれば、きっと力になってくれるはずです。

2015年8月11日火曜日

健全なる精神は健全なる身体に宿る?

と、言うのはWikiによると誤用のようですが……。
医学的にはあまり間違っていないと考えています。

精神と肉体は互いに影響しあっている

この言い方が最も正しい言い方だと思います。

精神が原因で肉体を壊します。
たとえば、うつ病と糖尿病の合併。うつ病の人は活動性が低下しますので、糖尿病の合併率もあがります。
バスの運転手さんは、運転中は血圧が上昇します。

精神が肉体を改善します。
有酸素運動はうつ病で使用される薬剤と同レベルで効果があります。
また、不眠症や神経症にも効果があります。
その他、誘惑に打ち勝つ力や節制、努力は日ごろの生活習慣に影響を与えます。

体が精神を悪化させます。
がんの告知や病気をすれば、人は誰でも落ち込みます。(何も悪いことしていないのに…など)
また、前頭葉の脳梗塞は性格の変容をきたしやすいです。

体が精神を改善します。
運動をする人は認知症を発症するリスクが軽減します。(この関係性は脳を介しています)


「いいや、ストレスは心に影響するものであって、肉体には影響しない。
 もしくは、肉体的に影響するとしても小さな影響だ!」

と、言う貴方に分かりやすいストレスに対する体の反応で分かりやすい例が2つあります。

大勢の人の前で、自作した詩を1分後に読みなさいと言われると。心臓がドキドキしませんか?
心臓の病気でしょうか?いやそうではありません。

感動するテレビや映画を見て泣いたことはないでしょうか?
眼の病気でしょうか?いやそうではありません。


このように精神と肉体は非常に影響しあっています。
肉体的に健康であるためには、精神的にも健康でなければなりません。
冒頭に書きました通り、ユウェナリスは健全な精神は健全な肉体に宿るとは言っておらず
「……強健な身体に健全な魂があるよう願うべきなのだ。」

と、語っている通り、精神と肉体ともに健康でなければ長期的な健康は保たれません。
と、いろいろと書きましたが、当院は内科を中心にサポートさせて頂いていますので、
詳しい精神的なサポートが必要な方は精神科、もしくは心療内科の受診をお勧めします。

余談ですが、「精神科はハードルが高いから心療内科がいいな」と、言う貴方。
見る医者、処方する薬はほとんどどちらも変わらない印象です。(はた目から見た医療職種の感想)
上記の通りストレスを感じること、それによって体の不調が出ることは至って自然であり、生物学的に正しい反応です。恥ずかしいなと思わずに必要なときは受診をお勧めします。

記)江口 仁

2015年8月4日火曜日

総合診療医とプライマリ・ケア

総合診療医とは何ぞやと考えたり、調べたりしているとわかりやすいサイトがありました。
NHKの視点論点より「総合診療医とプライマリ・ケア」のHPをリンクいたします。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/144343.html

総合診療という専門もあるという考え方もあるようです。
総合診療はプライマリケアとして、横断的な診療科となります。
その他の、横断的診療科としては
 感染症科(各臓器の感染症に携わる)
 麻酔科、ペインクリニック(各臓器の麻酔や疼痛に携わる)
 リハビリ科(各臓器のリハビリテーションに携わる)
などでしょうか。

そのほか、NST(栄養管理)や緩和ケアも同様に横断的チームと言えるかもしれません。
プライマリケアは初期診療としては多くの臓器、疾患に関わっています。
一般内科と違うのは、内科診療に留まらず、整形外科、皮膚科、小児科などの初期治療に関わるところでしょうか。

総合診療医、プライマリケア医って何だと思われたらぜひサイトもご覧ください。

2015年7月28日火曜日

佐賀県の総合診療部、総合診療科、プライマリケア

プライマリケア学会によると、佐賀県の総合診療科として登録してある病院は、
佐賀大学医学部附属病院
嬉野医療センター
やよいがおか鹿毛病院
と、登録があります。
しかし、2015/7/28時点では嬉野医療センターや鹿毛病院のホームページには
総合診療科の記載がありませんね。

実は佐賀大学附属病院の総合診療部のOBだけでも、佐賀市内にもっと存在しています。
クリニックで働いている先生も二次病院やリハビリ病院で働いている先輩もいますよ。

スタッフ案内のどこで研修をしたかなどをホームページなどで確認するといいかもしれません。

2015年7月21日火曜日

暑さに伴い熱中症が増えています

みなさんこんにちは。佐賀の梅雨ももうすぐあけそうですね。
7月も下旬に入り、熱中症の患者さんが増えつつあります。

やはり多いのが屋外の作業者で、農業、工業系の職業の人が多く受診されます。
続いて多いのは学生ですね。特に日中の試合などで熱中症になる人が多くなっています。

一般的に熱中症と言えども程度の差があります。

一度の熱中症は めまい、倦怠感、筋肉痛などで
二度になると、頭痛や嘔気などの症状になります。
三度が一番重症で意識障害、けいれん発作などが出現します。

ほとんどの患者さんが点滴で帰宅できますが、特に三度は入院加療が必要になります。
(よって当院では対応できません。と言うより救急車で救急病院に運ばれるケースが多いと思います)

予防には適度な休憩、水分摂取、塩分摂取ですが、特に水分摂取ですよね。
3リットル飲んでも起こす人は起こします。

ここで個人的に非常に良いと思っているアドバイスが2つあります。

1つ目は予防に関するもの。
2つ目は救急車の適正使用について。

1つ目の予防についてですが、脱水の良い指標があります。
それはおしっこ
おしっこは腎臓で作られますが、水分調整をする機能がついていますので、
体に水分が余っているときは薄いおしっこが沢山出ます。
逆に、体に水分が余っていないときは濃ゆいおしっこが少しだけ出ます。

屋外で働く人は2~3時間に1度しっかりおしっこが出るくらいの量を飲んでおくといいでしょう。
実際、熱中症で救急車で運ばれてくる人は点滴を1リットルしても、おしっこがなかなか出ないほどの脱水の人が多いです。

2つ目の救急車の適正使用についてです。
勿論、三度、重症の人は救急車を使用すべきだと思います。
しかし、一度~二度の動ける人ならば、タクシーでの受診をお勧めします。
熱中症はあぶない!!という概念は良いのです。
が、猫も杓子も救急車は適正とは言えないと思います。
判断が難しい場合は地域の消防局に聞いてみるのも一つの手段ですよ。

2015年7月14日火曜日

在宅医療の推進

厚生労働省は在宅医療を進めようと在宅専門の診療所を認める方針

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS09H4Q_Z00C15A7MM8000/

厚生労働省が在宅医療を推進しようと条件を緩和していくみたいです。

24時間365日を医者一人で頑張っておられる往診するクリニックはもちろんありますが、
これ以上広まるかと聞かれるとなかなか難しいのではないかと思います。
一人での往診クリニックは比較的体力がある医師しかできません。

人は誰でも長時間勤務や夜間の労働は体に悪い影響を及ぼします。
(こちらは医学的なデータが出ています。たとえばHealth and safety problems associated with long working hours: a review of the current position.
体を壊すということは長期的な医療サービスの提供が出来ないということです。
ですから、在宅医療もチームでやらないと広く展開できないのではないかと思っています。

2015年6月30日火曜日

6月20日 佐賀大学総合診療部同門会に参加しました

もう六月も終わります。
一月からちょうど半年が過ぎたことになり、江口仁が勤務に入ってから三カ月が過ぎました。
少しずつシステムに慣れつつ、病院とは違う形での気軽スピーディーな診療を展開しつつあります。

話は変わりますが、10日前(6月20日)に佐賀大学総合診療部の同門会に参加しました。
同門というとあまり聞いたことがない人もいるかと思いますが、要は部活のOB会みたいなものです。
総合診療部の現メンバーだけでなく、総合診療部を卒業して各病院に勤務している医師も参加しています。したがって、昔非常にお世話になった先生も参加されていますから、昔話に花が咲いて時間が足りませんでした。
また、後輩がすごく逞しくなっていて感動しました。

総合診療部と一括りにしてはいけないのではないかと思うほど、
勤務している医師の個性働いているスタイルは異なります。
一般内科勤務医、クリニックの医師、高齢者医療、2次救急、僻地診療所、リハビリ病院などなど。
勿論、大学病院の勤務医も多く参加しています。

患者さんから見ると、こっちの病院からあっちの病院に移ったけど、出身は同じ総合診療部ということがあります。研修医から見るとスキルアップ、キャリアに多様性のある診療科と言えるのではないかと思います。

2015年6月24日水曜日

予後1年の患者さんのスタチンは辞めても良いよ、の論文紹介。

抄読会で読んだ論文の紹介です。

癌などの理由で、後生きられるのは1ヶ月~1年と予想される患者さんが、
ここしばらく心血管系の病気を起こすことなくスタチン(高脂血症の薬)を飲んでいた場合、
そのスタチンを辞めたらどうなるか、の研究論文です。

結果、どうもならない。
スタチンを辞めなかった人たちと比べて、
早く亡くなる訳でもなく、
心血管系の病気を起こす訳でもない。

スタチンは、心血管系の病気を起こさないための予防や
病気を起こした人が次に心血管系の病気を起こさないための予防で内服することが多いですので、
この結果は、予後の短い患者さん限定ですが、
スタチン辞めても良いよ、ということになります。

薬を辞めるのは勇気が要ります。
高齢の患者さんに対して、
必要のないお薬じゃないかな、と思いながら処方し続けたり、
患者さんも変化を嫌がって内服を希望されることが多いですが、
薬を1つ減らすだけで患者さんの生活の質は上がるし、
余計な副作用を考える必要もなくなります。

あなたの予後は1年未満です、とはなかなか限定しにくいので、
もう少し長い予後、
高齢者の5年、10年での検討が欲しいなというところですが、
ご高齢中のご高齢の方(90歳以上とか?)は、
辞めることを検討しても良いかと思います。
そもそもだんだん食が細くなるので、
コレステロールが上がることは少ないように思いますので、
辞めてみての再評価も必要ですね。

薬を出す時は辞める時のことを考えながら出したいものです。

2015年6月23日火曜日

胃腸炎が流行っているようです

胃腸炎の患者さんを見ることが多くなっています。
どうも小学校を中心に流行っているようです。
ちょっと暑くなってきた時期に食中毒も多くなってきますので注意してください。

ウイルス性胃腸炎の感染予防の基本は手洗い、うがいです。
最近の論調ではウイルスの排出が数週間続くことが多いようですので、油断しないように……

2015年6月2日火曜日

当ブログ及びiタウンページが更新されました

まだ、梅雨入りはしていないようですが、雨で蒸し暑くなってきていますね。

2015/6/2 当ブログ、iタウンページともに新しいサイトとなりました。
写真を多く取り込むことによって、雰囲気などを感じて頂ければと思います。

iタウンページはアクセス方法によってはまだ更新されていないようです。

2015年5月26日火曜日

江口医院(江口内科)のiタウンページを改装中です。

2015/5/26よりiタウンページの内容の改装を行います。
http://nttbj.itp.ne.jp/0952233005/index.html
現在のページは見納めになるかもしれません。(別にいいのですが…)

もう少し詳しい事前情報
来院されたときに安心できるように視覚的な情報も掲載したいと思っています。

知りたい情報などありましたら、コメントに頂ければ可能な限り情報を開示していきます。

修正が終了したら、このブログにもアップしますね。
ご期待下さい。

2015年5月19日火曜日

非常勤医師の増加と勤務日程の変更について

2015年4月から江口仁医師火曜午後を担当します。
これまで担当していた古川尚子医師水曜午後を担当します。


江口仁医師は古川尚子医師と同様江口医院の4世代目の医師です。
臓器別の専門はありませんが、総合診療を主体に診療しています。

総合診療とは
総合診療は、一般内科、プライマリケアとも言われており、最近ではドクターGなどで名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
ドクターGは診断医で、どんな医者か分かりにくいですが、
当院での一般的なイメージとしては「かかりつけ医」ですね。
では、かかりつけ医ってなんだろうかと言われると、健康に関するマネージャーでしょうか?
ここはもう少し考察する必要がありそうです。

どんな症状であれ、相談に乗り、必要ならば適切な医療機関や医療制度を使用していきます。
重症の呼吸器疾患であれば「○○病院」、
この検査が必要だから「★★病院」、
この病気であればこの経過だからこの医療制度が必要などの判断をしていきます。

勿論、十分対応できる疾患は当院外来で治療していきます。

これまでの診療では

  • 高齢者を中心とした外来や入院
  • 糖尿病や高血圧。高コレステロール血症などの慢性疾患
  • 診断学
  • 社会背景にそった環境調整・マネジメント
  • 損傷や怪我
  • 一次~二次救急(比較的軽症の救急車)

を中心に経験してきました。

とはいえ、検査設備の違い、入院設備がないこと、スタッフ数の問題などで
当院で全てを行えるわけではありませんが、出来る限りの対応をします。